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説明
隠れた日本の名モダニズム建築である。
打放しの鉄筋コンクリートの外観が印象的な宮津市庁舎は、まさに無駄なものを削ぎ落とした戦後のモダニズム建築と言える。建物の構造は3ブロックで構成されており、メインストリートである本町通側の東西ブロック・中二階のあるふれあい広場側の南ブロック・その二つを結ぶ南北ブロックを高層・低層の建物がコの字に組み合った造りになっている。
その中で最も特徴的なのが、東西に伸びるブロック部分。重厚な建物をピロティで支える構造は、建物としての建築空間を保ちながら、開けた空間が入り口正面に配置されていることで人々が自由に行き交うことができ、市役所と街を繋ぐ役割を担っている。
また、高層・低層建物のコの字型の構造は、見る角度によって建物の表情が変わるのも面白いところ。
2017年、日本の近代建築の再評価と保存活動に取り組むDOCOMOMO Japanによって宮津市庁舎は優れたモダニズム建築の1つとして選定された。
今もなお変わらず“活きた建築”として利用される庁舎は、戦後モダニズム建築の歴史を飾る建築物として貴重な存在といえる。